
さて、今回は鈴鹿サーキットに来るレーサー達のお話をしましょう
私の修行しておりました店は鈴鹿という場所柄サーキットで走るプロのレーサー達にも良くご来店戴いておりました。有名なところでは星野一義さん、鈴木亜久利さん、ルマン24で常連の長谷見さん、より野さん田中さん、そして、F1のレーサーも務めた若き日の片山右京選手もご来店下さいました
片山選手はチームの監督さんとお二人でみえ監督さんの言うには『彼はこれから有名になる人だから憶えておいてね。』と言われました。童顔な顔から今日の片山選手を想像する事は出来ませんでした。
星野選手は何時も陽気で大勢のスタッフと一緒にご来店されておられました。レースの時はとても難しい顔をされてまるで哲学者の様な顔をされておられまがレース以外の時は別人の様で明るく大らかな人柄になられます
そして、鈴木亜久利選手に初めてご来店戴いたのは確か国内のF3000でシリーズチャンピョンを取られ来期よりF1に参戦が決まった年でした。その時は雑誌社の取材があり座敷に座って戴きました。鈴木選手は男が見ても惚れ惚れするくらいにいい男で、紳士的な方でしたヨ。
四輪でのレーサーでは最後にこの人抜きには語れない逸話があります。殆どのレーサー達が数人で行動をとられのに何時もOFFは一人でという方もみえます。その代表が高橋国光選手です。確かサーキットへはニューマシンのテスト走行に来られた時の事と記憶しております。月曜日の夜でした。月曜日というのは比較的に暇な日が多くやはりこの日も静かな夜でした。出前の仕事も終わり《さぁ!今からお客様沢山きてよ!》と心の準備も整った頃一人のお客様がご来店されました。頭髪はパンチパーマ、左の腕にはロレックスの金無垢の時計、右腕には金無垢の太いブレス…どう見ても【カタギ】の方には思えません。
こちらは一瞬たじろぎましたが『どうぞこちらへ!』と私の立っているカウンターへと案内致しました。椅子に座って貰いご注文をお聞きするとビールとおつまみ上寿司をとの事でした。料理をお出ししながらお客様をよ〜く見ると【高橋国光さんではないか?】とすかさず訊ねると愛想良く『はい高橋です。』と答えて戴きました。その内に高橋選手もリラックスして下さいまして、色んなお話を聞く事が出来ました。
元々高橋選手は二輪のレーサー出身ですから、『OFFの時はバイク乗られるのですか?』と訊ねましたところプライベートな時はバイクも乗られるとの事バイクはBMWだそうで、伊豆にある別荘に釣りに行くときに乗られると言っておられました。とても、物腰が柔らかくて温厚なお人柄でした。
こんなに超ビッグなプロのレーサー達の寿司を握れるのもこの業界におればこその事です。本当に良かったと思いました。このレーサー達のコラムは次回も予定しておりますので楽しみにしてて下さいね。

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